Dr.が薦める健康自立のススメ

Dr.田中佳のEM健康アドバイス~脂質は良い?悪い?~

変化する脂肪酸の摂取と役割

昭和初期の食卓はイワシ、サンマ、サバのような青魚と呼ばれる魚食が中心でした。この大衆魚である青魚にオメガ3系脂肪酸である (エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれていたのです。特に脂の乗ったイワシはオメガ3系脂肪酸の宝庫だったのですが、戦後は肉食中心の食生活となり、自然とオメガ3系脂肪酸の摂取比率は減少傾向となりました。

このオメガ3と6は血液中において相対する働きをすることが分かっています。オメガ3は血液をサラサラにして抗炎症に働き、オメガ6は血液を固める作用を持ち炎症系に働く。

こう書くとオメガ6が悪く見えますが、我々が生きていく上で様々なトラブルに見舞われ、怪我をすれば止血しなければならないので血液を固める作用は必要なのです。

しかし、血管の中で血液がサラサラでなければ全細胞に栄養などを運べません。血液の状態は、この絶妙なバランスの上で成り立っているのですが、現代の食生活ではオメガ3よりもオメガ6が相対的に多くなり、血液がドロドロになりやすくなってしまっているのです。

オメガ3系脂肪酸は、動物由来では青魚に含まれていますが、植物由来ではエゴマ、シソに含まれています。最近は、1日に小さじ1杯のエゴマ油を摂ると良いという情報が流れています。確かに魚食が減少した分、植物性オメガ3系脂肪酸を摂ることは理に適っています。

しかし注意すべき点は、加熱により酸化・劣化するので加熱調理に使用してはいけません。また、酸化しやすいので開栓後はアルミホイルで遮光して冷蔵保存とし、1ヶ月以内に使い切ることが推奨されます。消費期限の長いものを選んで、まとめ買いをしないことです。オメガ3系脂肪酸は常に新鮮を心がけましょう。  

菜種油や胡麻油、大豆油にもオメガ6系脂肪酸は含まれているので、積極的にオメガ6系脂肪酸を摂らずとも充分量が得られていると考えても良いと思われます。ともかく不足気味になりやすいオメガ3系脂肪酸をサプリメントで補うことは、現代社会ではやむを得ないのかもしれません。

酸化しにくい脂肪酸

この範疇から別に存在するオメガ9系脂肪酸、代表的なのはオレイン酸を豊富に含むオリーブオイルです。女性が好きなアボカドにも豊富に含まれています。このオメガ9系脂肪酸の特性は、何と言っても抗酸化力にあります。

そして熱に対して安定しており、加熱調理に向いています。このオリーブオイルですが、格安のものは溶剤抽出されていることが多く、個人的にはお勧めしがたいものです。オーガニックで育てられたオリーブの実を低温圧搾(コールドプレス)し、エクストラバージン100%ともなればかなりの高額になるでしょう。どこのレベルの製品で線を引くのかは個人で決めてください。あと、日本での問題点として、何にでもエクストラバージンオイルと表記できる緩さがあります。

オリーブオイルの基準を作っている、IOC(International Olive Council)の定める国際規格を日本では採用しておらず、JAS(日本農林規格)では精製しているか否かの分類しか存在せず、本当にエクストラバージンオイルなのかどうかは分かりません。ということで、エクストラバージンという文字だけで飛びつかないようにしましょう。
ポイント

オリーブオイルの確認点
 
容器がビンで透明ではなく濃い色で遮光性のあること
オリーブオイルは、オメガ3などの成分も含有する食品です。
オメガ9は安定しているため遮光や開栓後の冷蔵保管の必要もありませんが、
オメガ3は不安定なため遮光や冷蔵保存が必要なためです。

②酸度が0.8%以下であること
エクストラバージンオリーブオイルとしてのIOCの認定基準

③低温圧搾、コールドプレス製法で作られていること

④オーガニック栽培のオリーブであること
認証マークがあることを確認する

田中 佳 医師 / ドクターセラピスト
昭和60年に東海大学医学部卒業後、同大学付属病院脳神経外科助手を経て、市中病院で急性期医療に長年携わる。脳神経外科学会および抗加齢医学界の専門医となり、悪性脳腫瘍に関する研究で医学博士を取得。現在は、食や生活習慣、日用品、心の在り方など多岐にわたる方面から健康への道筋を広く発信している。著書、講演、オンライン講座多数。元日本脳神経外科学会認定専門医/日本抗加齢医学会認定専門医/直傳靈氣療法師/整膚師/ISBA(国際シンギングボウル協会)上級認定および認定プレーヤー/ホメオパス(クラシカル)
https://capybara-tanaka.com/